その手段として、顧客志向や顧客満足がもっとも重要視されていることは間違いありませんが、あくまで目的は企業の儲けです。必ずしても消費者や社会の幸福を第一義とはしていません。
消費者を第一に考えたとき、マーケティングの要素の中でもっとも重要なことは、商品企画であるはずです。消費者が“あったら幸せだ”と思う商品をどうやって見つけて世の中に出すのか、ということ。
既にある商品の見せかたを工夫したり、売り方を工夫したり、価格を変更すること(=ブランド・リファイン)も重要ですが、新商品を企画し上市すること(=ブランド・クリエイション)の方が、むしろ効果的だと考えます。
つまり「既にある商品に対する消費者の態度やイメージを改善する行為」より「新しい商品によって、新しく消費者に選択肢を与えること」の方が、“あったら幸せだ”という消費者の思いにアクセスしやすいように思えるのです。
そのように消費者の真のニーズに応えるために必用かつ重要な商品企画が、日本では軽視されているように思います。
書店の棚を眺めても商品企画そのものをテーマとした書籍は非常に少ないですし、商品企画を生業にする会社も多くありません。
現状ではメーカー自身が商品企画を行うケースがほとんどです。
その結果、企業が持つ技術や特許、設備、在庫など企業側の都合が優先されてしまい、いわゆる「プロダクトアウト」の発想が色濃く反映されてしまっている気がしてなりません。

Thank you very much for your clicks.
ブランド戦略とブランディングの専門家